最近本当によく変な記事を見かけます。今回は、「人を正しているが本人が間違えている」ではなく、「これはこういう意味だよ」と言って間違えている記事。
その記事では:
「I'm running late (私は遅く走っています)」は「約束の時間に遅れそうです」
と紹介しているが、うーん、微妙だなぁ。
Run=走る、ではないのだ。Runとはいろんんだ意味がある。辞書によっては、100個以上の定義をリストするものもある。それだけ「走る」以外の意味があるのだ。たとえば、映画のrunning timeといっても、映画が走っている時って意味なわけがない。
そしてI'm running lateとは、「約束の時間に遅れそうです」という意味ではない。ちかいけど、惜しいというところですね。見ての通り、文章のどこにも「約束」という言葉が無い。
ただ単に、「遅れています」って意味です。雰囲気的には「ずれ込んでいる」に近い使い方が多い。
ヤギが一番よくI'm running lateと聞かされたのは音大時代。Studio(日本のゼミのようなもの)の教授の口癖です。レッスンがいつも遅れていて、学生たちはよく廊下で待たされました。だけど、文句が言えないヤギでした。教授はヤギのレッスンを(なりゆきで)普段から長めにやってくれていたのです。だから、教授にI'm running lateと言われて、ヤギのレッスンがちょっとくらい遅れても納得できることだった。
一度、教授はヤギのレッスンを予告なしに一時間近く延長したことがあった。その日は、ヤギが最後のレッスンだったから本当なら問題ないはずだった。だが、教授は他の 学生と
ヤギのレッスンが終わる時間に会う約束をしていた。その結果、その学生はレッスン室の前で一時間待たされたのだ。
日曜日の夜の出来事だった。教授が一週間ほどout of town (長期おでかけ)になるので、一週間分のレッスンを全部出かける前の土日に詰め込んだのだ。
だから、その待たされた学生は、暗くて、誰もいなくて、ちょっと不気味な日曜日の夜の学校の廊下で一時間待たされたのだ。しかも初々しい新入生だった。
そうやって待たされている時に、教授がドアからぽこっと顔をだしてI'm running lateとだけ伝えた時は、その一年生は「それくらい分かるやい!(涙)」って言い返したかっただろうな。
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